古本屋をやろうと思って、6月末で仕事をやめた。9年ちょっと勤めたんだけど、そういえば生まれてから9年も続けたことって他になかった。あっという間のようで、自分にとってはそれなりに長い時間だった。良いことも悪いこともあった。知的で優しい同僚に恵まれ、待遇安定、学びの絶えない刺激的な職場だったが、思うところあり、退職届を提出した。
大好きな祖父が元気だったときに仕事やめようと思ってんだよねと言ったら、「そんないい仕事もったいねえ、よく考えろ」と言われた。これまで三十余年、私のやることはすべて黙って見守ってくれてきたが、あまりの無謀さを見かねたらしい。祖父はつい先日亡くなったのだが、しゃべる力がなくなってきた病院のベッドでも「熟考しろ…!」と最後まで言っていた。孫のことを真剣に心配してくれているのが伝わり、涙が出た。
しかしこっちとしても何年も考えた末に言っている。すまないけど最初で最後のジジイ不孝、熟考なんかしてたら現状維持の一択にしかならんので、あえて浅慮を貫かせてもらった。結果はどうか天上で見ていてくれの気持ち。
JFではゆっくり話す機会なく残念!お祖父さんと同じ気持ちだけど、貴兄が決めたからには応援してます。